作業療法士とは
作業療法士とは、理学療法士と作業療法士の違いについてのページでも簡単に紹介していますが、理学療法士と同じく医療・看護領域の国家資格です。
理学療法士と活動領域が似ているため混同されがちですが、仕事内容は全く違います。
具体的には施術内容と目的が異なっており、理学療法士が身体の基礎的な機能の回復を目的に施術を行うのに対し、作業療法士はスポーツや食事といった実生活のプラスαに関する機能の向上を図ります。
理学療法士から作業療法士までがリハビリテーションの流れとなっており、二つの資格をどちらも取得する人は多いです。
就職の際も二つの資格を持っていた方が仕事の幅も広がり有利になるとされています。
しかし1年に1回どちらかの試験しか受けることはできないため、新卒で現場へ就職する場合は理学療法士から入る人の方が多いです。
国家試験の合格率としてはどちらもそれほど変わらず80%以上ですが、やはり知名度的には理学療法士の方が上のようです。
医療現場では理学療法士メインの割合が多いですが、介護の現場では一転して作業療法士の専門性が強く発揮されます。
ゲームやスポーツを通して、日常の楽しみを増やす手伝いをするのが作業療法士の仕事なので、言いかえれば幸せを増やす仕事と言えますね。
作業療法士になるには
作業療法士になるには、理学療法士と同様に国家試験を受験し、合格する必要があります。
受験をするには専門の養成課程がある学校で3年以上修業する必要がありますので、最短でも働き始めるのは21歳からとなります。
作業療法士の国家試験は基本的に筆記試験のみとなりますが、その専門性から仮に独学受験が可能だとしても合格は難しいと言われています。
合格率は80%を超える年もありますが、年々難しくなってきており、やはりしっかり専門学校で対策をしていなければ合格は難しいでしょう。
作業療法士は少々特殊で、国家試験の合格発表が4月になります。
そのため、3月に学校を卒業して、合格しているか分からないままで作業療法士として働き始めることもあります。
働き始めた後に、実は国家試験に合格出来ていなかった、ということが発覚する場合もあるのです。
とはいえ業務独占資格ではないのでイキナリ退職ということは少ないですが、どちらにせよその年は再度勉強をしなければいけないので、一発合格を目指して専門学校ではしっかりと対策をしておきましょう。
合格率ばかりに捉われず、受験者数やカリキュラム、立地も学校を選ぶ際の重要ポイントなので、学校HPだけではなくパンフレット請求を行い、可能な限りオープンキャンパスへ行くことが大事です。
作業療法士の収入
作業療法士の収入はそこまで高くありません。大体平均して450万前後に落ち着く場合が多いようです。
医療現場か福祉・介護領域かによっても変わってきます。福祉の方が年収が少なめになる傾向があります。
作業療法士も理学療法士と同様に比較的女性人気の高い職業ですが、やはりこれには国家試験により転職や復職しやすく、身内の介護にも利用できるという点で非常に実用的だからという理由が多いです。
理学療法士は力仕事も多いですが、比べてみれば作業療法士に関しては力がいらない業務も多く、ハードルが低い点もあります。
他にもパートタイムでの勤務も行いやすく、子育てなど家庭のことを行いながら働けるというのも嬉しいポイントです。
普通のパートタイマーやアルバイトとはやはり稼ぎが違うため、そうした自由な働き方を目的として作業療法士を目指す人も少なくありません。
ですがやはり収入が見込めないこともあり、40以降まで仕事を長く続ける人は少ないようです。
続ける場合は理学療法士や言語聴覚士、その他の資格も取得し、病院等で管理職を目指す人が多いです。
作業療法士の今後
理学療法士と領域が同じなために業界傾向も同様で、作業療法士の需要は今後の高齢化社会において欠かせないものとなり、地位はどんどんと上がっていくでしょう。
収入面のネックも国を挙げて対策しているため、今後はさらに人気な職業となるはずです。
人気でも飽和状態になることはほぼ無いでしょうし、働く先に困らないというのは非常に大きな利点です。
やはり一般職だとなかなか転職してキャリアアップを望むのも難しいため、専門知識やスキルの証である国家資格というブランドの魅力は大きいです。
